平成14年度旧司法試験刑法2
答案
1 宝石をCに売却した行為について
盗品であることを気づいた時から保管罪成立
譲受時ではなく、あっせん時に故意あり→盗品等有償処分あっせん罪が成立
2 Cに売却した行為
Cは事情を知っていれば購入しなかったと考えられる・盗品かどうかは取り戻される恐れなどもあり重要な事実→詐欺罪成立とも
しかし詐欺はあっせんの当然の結果→不成立とすべき
3 30万円の費消
横領罪成立
甲が占有しているといっても預り金であり、あくまでもAの所有物である
あっせん罪が成立するとしても、委託信任関係を破る行為自体は横領罪で処罰すべき
4 Aに対し、70万円でしか売れなかったと告げた行為
Aは甲に対して民法上は返還を求められないとしても、事実上追及を免れている
Aの詐欺による利益(の転化物)であっても、詐欺罪により保護すべき(∵詐欺行為自体を抑止する必要がある)
→利得あり
詐欺罪成立
5 1,3,4が成立して、3と4は包括一罪(?)
はっきりいって、全然わからなかった・・・
とにかく順番に検討してみましょう。
まず盗品等罪で成立しそうなのは、保管罪とあっせん罪よね。気づいた後からは保管しているから犯罪成立(判例)、それからあっせんは別剤として成立するわね。
次にCに対する詐欺。どうも古い判例は、詐欺を否定するらしいわ・・でも、保護法益が、一方は追求権の侵害でもう一方は財産だから、違うのよね。だから、詐欺を成立させてもいいと思うけど、説明は必要ね・・・
それから30万円の横領について。金銭は所有と占有が一致するから云々みたいな答案があるんだけど、よくわからないのよね。どう見たってこの30万円はAの所有でしょ。
ただ、不法原因寄託として反射的に甲に移っていないかという論点は理解できるわ。それに対しては、行為の悪性を重視して保護されるべきとか書くのかもね。
それから、最後の詐欺。やっぱり利得があるのかという点は、横領の場合と同じね。それをクリアしたとして、横領との関係はどうなるか・・・やっぱり侵害法益が被っているから包括一罪だと思うのよね。
はー全然間違っているとしても不思議じゃないわね・・・せめて何かの参考にでもなればいいけど・・・